― サンクコストと向き合う、保険見直しの考え方 ―
「これは昔の保険だから、利率がいいんです」
「今はもう入れない“お宝保険”ですよ」
そう言われて、
長年なんとなく保険料を払い続けている人は少なくありません。
でも、心のどこかで
こんな気持ちを抱えていないでしょうか。
ここまで払ってきたのに、
今さらやめたら“損”な気がする無駄だったと思いたくない
この感情こそが、
無駄な保険を「お宝」と思い込んでしまう最大の理由です。
①「お宝保険」と呼ばれるものの正体
いわゆる「お宝保険」と言われるのは、主に次のようなものです。
- 予定利率が高い時代の終身保険
- 貯蓄型の養老保険
- 昔の学資保険・個人年金保険
確かに、
金利が高かった時代に作られた保険には
数字だけ見れば魅力的なものもあります。
予定利率3%前後、ものによってはそれ以上。
今の預金金利と比べれば、
「すごくお得」に見えるのも無理はありません。
②でも、その利率はどこにかかっている?
ここは、必ず押さえておきたいポイントです。
保険料は、
- 保障コスト
- 保険会社の経費
- 残った一部が積立(責任準備金)
という構造になっています。
👉利率がかかるのは、積立に回った部分だけ
払った保険料すべてが
年3%・5%で増えているわけではありません。
よく言われる
「解約返戻金ベースで年2%」
という表現も、
払込総額と将来の受取額を
まとめて逆算した
結果としての数字
にすぎません。
③「お宝」を手放せなくする正体
偽の「お宝保険」が見直せなくなる最大の理由は、
サンクコスト(埋没費用)です。
- もう取り戻せない
- 過去に払った
- 判断を変えても戻らないお金
それなのに私たちは、
ここまで払ったんだから
今さらやめられない
と考えてしまいます。
でも冷静に見ると、
これから先に払う保険料は
すべて未来のお金
過去を正当化するために、
未来のお金を払い続ける。
これが、
お宝保険が「重荷」に変わる瞬間です。
④「損切り」という考え方
「保険をやめる=失敗」
ではありません。
これは、投資と同じ考え方です。
期待した役割を終えたものを
これ以上引きずらないそれが 損切り
損切りとは、
間違いを認めることではなく、
状況が変わったことを受け入れる判断です。
⑤「今もお宝」と言える保険の条件
では、どんな保険なら
本当に「残す価値がある」と言えるのでしょうか。
判断の軸は、利率だけではありません。
残す価値が高い保険
- 解約返戻金ベースで
安全資産として見て年2%超 - 保障部分の目的が明確で価格が妥当
- いつ・何に使うか決まっている
- 家計の固定費を圧迫していない
- 途中で使えなくても困らないお金
👉
この条件がそろっていれば、
それは「今も本物のお宝」といえるでしょう。
見直し対象になりやすい保険
- 利率はそこそこだが目的が曖昧
- 「昔から入っている」以外の理由がない
- 家計をじわじわ圧迫している
- 本当は現金で持ちたい気持ちがある
👉
この場合、宝箱とみせかけたミミックです。
⑥一番大事な問い
最後に、これだけは自分に問いかけてみてください。
この保険は、
今の私の人生を守っているかそれとも、
過去の判断を守るために
払い続けているだけか
保険は、
集めるものでも、
抱え続けるものでもありません。
人生のある期間を支える
一時的な道具です。
まとめ
- 昔の保険=今もお宝、とは限らない
- 利率は一部にしかかかっていない
- 手放せない理由の多くはサンクコスト
- 状況が変われば、判断が変わっていい
- それは失敗ではなく「損切り」
過去の自分を守るために、
未来の自由を差し出さない。
それが、
今の時代の
保険との健全な付き合い方です。


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