――「増やす」より「事故らない」設計を
教育費の話になると、
「どれで運用するのが正解?」
「どうすれば一番増える?」
と、手段の話に意識が向きがちです。
でも実際に家計が苦しくなる原因は、
増えなかったことより、設計が破綻したことである場合がほとんど。
この記事では、理想論ではなく
最後まで払える、現実的な教育費の設計を整理します。
①教育費の性質|「使う時期が決まっているお金」
教育費は、他のお金と性質が違います。
- 使う時期がほぼ決まっている
- 延ばすことができない
- 特定の年に支出が集中する
老後資金のように
「下がったら待つ」「回復を待つ」
ができません。
教育費で一番大事なのは、
使うタイミングで確実に出せることです。
②「全額普通預金」も万能ではない
不安だから、教育費はすべて普通預金。
この考え方は、とても堅実です。
- 元本は減らない
- いつでも引き出せる
という安心感があります。
ただし一方で、
インフレの影響を受けるという側面もあります。
物価が上がれば、
同じ金額でも受けられるサービス(教育)の量は減る。
普通預金は
「金額は守れるが、価値は守れない可能性がある」
という点も理解しておきたいところです。
③元本保証=安心、ではない
元本保証の商品には、
国債や学資保険などがあります。
ただし「元本保証」と聞いて、
無条件に安心してしまうのは注意が必要です。
見るべきポイントは、
- お金がどれくらい拘束されるか
- 途中でやめた場合どうなるか
- 増え方を年利に直すとどの程度か
たとえば、元本保証の商品でも、
途中解約時の扱いはそれぞれ異なります。
個人向け国債の場合、
一定期間保有した後であれば、
解約時に直近2回分の利子相当を差し引く形で
元本が戻る仕組みになっています。
「途中でやめたら大きく損をする」
というわけではありませんが、
- すぐに使う予定のお金には向かない
- 利回りはインフレに追いつかない可能性がある
など、万能ではありません。
元本保証=無条件に安心、
というわけではない点は押さえておきたいところです。
④教育費をすべて投資に寄せる危険
最近よく見かけるのが、
「学資保険はやめて、教育費は全部NISAで」
という考え方。
これは、条件がそろえば成立する設計ですが、
誰にでも当てはまるわけではありません。
教育費における投資の弱点は、
使うタイミングで相場が暴落している可能性です。
- 下がっても待てない
- 取り崩す年は選べない
投資は長期では有利でも、
出口が決まっている教育費とは
相性が悪い面があります。
教育費は「全部投資」ではなく、
一部を投資、残りは守ると
いう考え方が現実的です。
⑤奨学金でつないで、回復時に返すという考え方
一部では、
「一時的に奨学金を使い、相場が回復したら一括返済する」
という考え方もあります。
理論上は成り立ちますが、
これはかなり上級者向けの設計です。
- 相場が回復しない可能性
- 奨学金は子ども名義の借金になる
- 返済時期が人生の選択肢に影響する
これらを理解した上で、
意図的に選ぶ場合のみ検討されるもの。
「足りなかったら奨学金で」は、設計ではなく成り行きです。
⑥教育費は「別枠管理」が基本
教育費が「思ったより貯まらない」最大の原因は、
生活費と混ざることです。
おすすめは、
- 教育費専用の口座を作る
- 毎月定額で移す
- 投資分も「教育費枠」として把握する
こうすることで、
- 今使っていいお金
- 将来必ず使うお金
の境界がはっきりします。
⑦ライフプランと必ずつなげる
教育費は、単体では判断できません。
- 住宅ローン
- 兄弟構成
- 働き方の変化
- 老後資金
これらと重なるタイミングで、
家計は一番苦しくなります。
ライフプラン上で
「一番きつい年」を一度見える化するだけで、
教育費にかけられる現実的な上限が見えてきます。
⑧教育費は「増やす」より「事故らない」
教育費は、増えたらうれしいお金ではあります。
でもそれ以上に大切なのは、
- 必要な時に
- 必要な額を
- 確実に出せる
こと。
派手さはなくても、
事故らない設計が、結果的に家族を守ります。


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