― 判断力低下が資産を削る ―
老後資金の話になると、
「年金はいくらもらえる?」「いくら貯めれば足りる?」
といった金額の話に目が向きがちです。
でも、実際に多くの人が詰まりやすいのは、
「判断できなくなってから、重要な選択を迫られるケース」です。
①本当に怖いのは「足りない」より「決められない」
年齢を重ねると、少しずつ判断力・理解力は低下していきます。
これは誰にでも起こる、ごく自然な変化です。
そんな状態で、もし次のような判断を迫られたらどうでしょう。
- 投資をやめて現金化すべきか
- 自宅を売るか、貸すか
- 介護費用をどこから出すか
- 子どもにどこまで任せていいか
判断できない=先送り=選択肢がどんどん減る。
これが老後資金の最大の落とし穴です。
②事前に考えておきたい4つのこと
老後に入ってから考えるのでは遅いことが、実はたくさんあります。
① 投資から現金にするタイミング
運用は「始める」より「やめる」が難しい。
- いつ
- どの資産から
- どれくらいずつ
を、元気なうちに大まかに決めておくだけで、家族の負担は激減します。
② 収支を一つの口座で完結させる
口座が増えすぎると、本人も家族も把握できなくなります。
- 年金の振込
- 生活費の支払い
- 医療・介護費
老後は「シンプルさ」が最大の防御力です。
③ 資産と負債の見える化
資産だけでなく、
- ローン残高
- 連帯保証
- 未払いの可能性があるもの
も含めて、一覧で把握できる状態を作っておきましょう。
紙1枚でも十分です。
④ 信頼できる人に引き継げる状態にする
「まだ元気だから大丈夫」は、一番危険なサイン。
- どこに何があるか
- 困ったら誰に相談してほしいか
本人が説明できるうちに、共有しておくことが重要です。
③制度は「最後の手段」として理解しておく
制度は万能ではありませんが、知らないことが最大のリスクになります。
- 家族信託
判断力があるうちに、財産管理を家族に託す仕組み - 成年後見制度
判断能力が低下した後に、家庭裁判所が関与する制度 - 相続の考え方
「亡くなった後」だけでなく「生きている間」の整理も含む
使う・使わないは別として、
名前と特徴だけでも知っておくことが大切です。
④老後資金の最終防衛ラインは「人と仕組み」
老後資金の安心は、
✔ 高利回りの商品
✔ 流行の投資
では決まりません。
本当の最終防衛ラインは、「信頼できる人」と「引き継げる仕組み」です。
お金を増やす前に、
「もし自分が判断できなくなったら?」
この問いに一度だけ、向き合ってみてください。
それだけで、老後資金のリスクは大きく減ります。


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