―「なんとなく不安」の正体を整理しよう―
「教育費はいくらかかりますか?」
家計相談やお金の話をしていると、必ず出てくる質問です。
でもこの問い、実はとても答えにくい。
なぜなら、教育費には決まった正解がないからです。
- 公立か私立か
- 塾に行くか行かないか
- 中学受験をするかどうか
- 大学は自宅か下宿か
選択肢が多すぎて、
「結局、いくら必要なのか分からない」
この状態こそが、教育費の不安の正体かもしれません。
この記事では、具体的な金額の前に、
教育費を考えるときに必ず押さえておきたい前提を整理していきます。
①教育費の実態と、よくある錯覚
教育費というと、多くの人がまず思い浮かべるのは
「授業料」や「入学金」ではないでしょうか。
でも実際には、
それだけを見ていると大きな錯覚が生まれます。
たとえば
「公立だからお金はあまりかからない」
「高校まではなんとかなる」
こうした感覚は、半分は正しくて、半分は危険です。
確かに、学費そのものは抑えられます。
ただし、それ以外の支出が見えにくい。
ここに、教育費の落とし穴があります。
②見落とされがちな「隠れ教育費」
教育費には、家計簿で把握しにくい支出がたくさんあります。
- 塾や家庭教師
- 習い事(スポーツ、音楽、英語など)
- 教材費、模試代、検定料
- 遠征費、合宿費
- タブレットやPCなどの学習環境
これらは「教育費」というより
「月々の生活費」に紛れ込みがちです。
結果として、
気づいたら毎月じわじわ増えている。
この「隠れ教育費」が家計に効いているケースが多いのです。
③教育費はインフレしやすい
もうひとつ重要なのが、
教育費は将来に向かって増えやすいという点です。
- 大学授業料の引き上げ
- 塾や習い事の値上げ
- 教材のデジタル化による追加費用
今の金額を前提にしてしまうと、
数年後に「思ったより高い」と感じることになります。
教育費は、今の感覚のままでは足りなくなる可能性が高い支出なのです。
④「借金としての奨学金」という現実
教育費の話で、避けて通れないのが奨学金です。
「奨学金=もらえるお金」
というイメージを持っている方もいますが、
多くの場合、これは借金です。
社会人になったあと、
毎月数万円を10年、20年返済するケースも珍しくありません。
奨学金を使うこと自体が悪いわけではありません。
ただし、
- 誰が返すのか
- 返済はどのくらいの期間か
- 子どもの人生設計にどう影響するか
これを親子で共有せずに使うことは、リスクになります。
教育費は
「今払えないから将来に回す」
では済まない問題です。
⑤「いつ・いくら必要か」が最大の難問
教育費が難しい最大の理由は、
支出のタイミングが集中することです。
- 中学受験期
- 高校受験前後
- 大学入学時
- 下宿スタート時
この時期に、まとまったお金が一気に必要になります。
毎月の家計が回っていても、
この「山」を越えられないと苦しくなる。
だから教育費は、
総額よりもいつ・いくら必要かを見ることが重要です。
⑥教育費と老後資金はつながっている
見落とされがちですが、
教育費と老後資金は別物ではありません。
教育費に力を入れすぎると
- 老後資金が貯まらない
- 住宅ローンが終わらない
- 親の介護と重なる
こうした問題が、あとから表面化します。
逆に、「老後が心配だから教育費は最低限」
という選択になってしまうこともあります。
どちらが正しい、ではなく、
どこでバランスを取るか、が大切です。
まとめ 正解はない。だから考える意味がある
「結局どうすればいいの?」
と思ったかもしれません。
答えはひとつではありません。
- 家庭の価値観
- 子どもの希望
- 家計の体力
すべて違うからです。
だからこそ、教育費は
「平均」や「相場」だけで決めるものではありません。
次回以降の記事では、
・進路別の考え方
・貯め方の優先順位
・家計との付き合い方
を、もう少し具体的に見ていきます。


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