5ステップ作成ガイド
ライフプランというと、完璧な数字が並んだ「完成品」をイメージしがちです。
でも実際は、ライフプランは完成させるものではありません。
最初は保守的に置いて、あとから見直して精度を上げていく。
これが、家計を壊さないための現実的な作り方です。
このブログでは、家計を
収支把握 → ライフプラン → 必要額 → 節約 → 投資 → 修正
という「循環」で整える考え方を軸にしています。
ライフプランは、その循環の中心にある**判断軸(羅針盤)**です。
この作成ガイドで目指すこと
- Excel(またはスプレッドシート)で、自分で更新できるライフプランを作る
- 最初は「厳しめ」でOK。楽観で壊すより、保守で守る
- 投資で赤字を消す設計はしない(それは願望)
- 老後は平均寿命ではなく、100歳までを見る
- 借金で穴埋めしない(負債欄は原則住宅ローンのみ)
STEP0|表の全体像(項目だけ先に決める)
横に年(または年齢)を並べ、右に行くほど未来。
縦(行)に項目を置きます。
最低限の行(おすすめ)
- 家族(名前/年齢)
- ライフイベント(3〜5行)
- 年間手取り収入(児童手当など込み)
- 年間生活費(通常支出の合計)
- 住宅費(ローン+住居維持費)
- 教育費(学費+塾+習い事など)
- その他特別費(車・旅行・家電など)
- 年間収支(黒字/赤字)
- 現金残高(合算)
- 運用残高(NISA/iDeCoなど)
- 負債残高(原則 住宅ローンのみ)
- 純資産(現金+運用−負債)
※現金は合算でOK。その代わり、横に生活防衛資金ラインを置いて、下回ったら赤にする(これが“壊さない”設計の要)。
STEP1|「今」の数字を決める(直近1年・ざっくりでOK)
最初にやるのは未来ではなく、現在の土台の確認です。
1-1 年間手取り収入(児童手当など込み)
- 給与(手取り)
- ボーナス(手取り)
- 児童手当・手当類
- (将来は)年金
※手取りが難しければ、まずは「口座に入ってきた合計」でもOK。
1-2 年間生活費(内訳不要)
ライフプランでは、食費や日用品の細かい内訳は不要。
必要なのは 年間生活費の合計 だけ。
- 原則:直近1年の実績
- ただし、直近がイレギュラーなら補正する
- 出産・育休
- 引っ越し直後
- 医療費が突出
- 大型家電の一括購入 など
「通常状態ならいくら?」
これで置き直せばOK。
STEP2|ライフイベントを時間軸に並べる(“時期”が最優先)
次にやるのは、金額ではなく時期の整理です。
同じ年に重なると家計は一気にきつくなります。
2-1 まずは3大支出(住宅・教育・老後)
- 住宅:購入/借換/完済/修繕
- 教育:入学/受験/大学/卒業
- 老後:退職/年金開始/取り崩し開始
2-2 次にその他の大きなイベント
- 働き方(転職・時短・退職)
- 車の買い替え
- 大きな旅行
- 親の介護の可能性
ここは「仮」でOK。未来は当たらなくて当たり前。
大事なのは抜け漏れを減らすことです。
STEP3|住宅と教育を“動かせる形”で入れる
- 住宅:金利上昇や繰上返済で結果が変わる
- 教育:進学先/塾/習い事で大きく変わる
- 老後:生活費の延長として扱う(独立行は必須ではない)
だから、表の中でも住宅費と教育費は独立行にして、数字を触れるようにします。
3-1 住宅(見える化したい項目)
- 年間住宅費(ローン返済+固定資産税等の年額化)
- (持ち家なら)修繕や更新(ざっくりでOK)
- 変動金利の人は「金利が上がったら」を見たい
住宅は“人生最大の固定費”
ここを軽く見積もると、後で詰みやすい。
▶住宅費|賃貸or購入どっちがお得?
▶住宅費|戸建 vs マンション
▶住宅費|新築住宅 vs 中古住宅
▶住宅費|住宅ローン固定vs変動
3-2 教育(見える化したい項目)
- 学費(公立/私立の差)
- 受験・塾・習い事
教育は「聖域化」しやすいので、見える化が大事。
数字を触れるようにしておくと、家計が壊れる前に調整できます。
▶教育費|年齢別に見る教育費のリアル
▶教育費|受験・塾・習い事の考え方
▶教育費|教育費の貯め方・管理の現実解
▶教育費|奨学金・無償化・支援制度との付き合い方
STEP4|現金と運用を分けて、保守的に回す(運用例は2%)
ここでようやく「資産」を入れます。
4-1 現金(合算でOK)
現金は、最初は増えない前提でOK(利息ゼロ扱い)。
重要なのは「額」より、防衛ラインを割らないこと。
- 現金残高(合算)
- 防衛資金ライン(例:生活費6〜12か月)
現金残高 < 防衛資金ラインなら、赤信号。
この“見える化”が壊さない設計。
▶︎「生活防衛資金はいくら必要?」
▶︎お金の役割は3種類 置き場を整頓しよう
4-2 運用(NISA/iDeCoなど)
運用は、初回は楽観にしません。
2%くらいの保守想定に設定しましょう。
運用の基本計算(運用資産だけ)
- 翌年運用残高 =(前年運用残高 − 取り崩し)×(1+利率)+ 積立
※定期預金は利率ゼロ扱いでOKです
上振れは後から修正できる。
楽観は修正がきかない。
ライフプランの見本(イメージ)
ここまでの手順でライフプランは作れますが、
実際にどんな形になるのかイメージしづらいかもしれません。
そこで、ライフプランのイメージを簡単に紹介します。
以下は、夫婦と子ども2人(と犬1匹)の家庭を想定した例です。
親族の欄はなくてもよいですが、両親の年齢を入れると介護の時期なども想定しやすくなります。
なお、この例の結婚、出産、年収はおおよその日本の平均値を使用しています。
年ごとの収入・支出・ライフイベントを一覧にすると、
どのタイミングでお金が不足するのかが見えてきます。

この例では、
・車の購入
・住宅購入
・引越し
・収入の変化
が重なるタイミングで、
一時的に赤字になる年があることがわかります。
ライフプランは、この「お金が足りなくなる時期」を
事前に把握するためのものです。
「赤字になる年」と「大きな支出」
ここを事前に把握しておくことで、
あとから慌てずに調整できます。
「ここだけ見ればOK」
ライフプラン表で見るポイントは3つです。
①収支がマイナスになる年
②大きな支出(イベント)
③資産が減るタイミング
STEP5|100歳まで確認して、赤字の種類で打ち手を変える
最後にやるのは「現実チェック」です。
ここが“壊さない設計”の本番。
5-1 老後は100歳まで見る
平均寿命は平均。破綻しやすいのは長生き側。
だから、基本は100歳まで余力を残す設計を目標にします。
生活保護は大切なセーフティーネットですが、「前提」にして設計はしません。
個人的なおすすめは、75歳頃を目安に、資産運用を減らし、現金化すること。
▶ 老後資金で一番怖い落とし穴
5-2 赤字が出たら、まず分類する
A|一時的赤字(教育ピークなど)
- その後黒字に戻る
- 現金が防衛ラインを割らない
→ 調整で対応可能
(時期をずらす・水準を変える・取り崩し計画)
B|構造的赤字(恒常的)
- 毎年赤字
- 防衛ラインを割る
- 借金で生活を回している
→ これは運用で埋める問題ではありません
まず前提(支出・働き方・住まい)を見直します
運用利率を上げて赤字を消す設計は、ライフプランではありません。
それは「願望」です。
5-3 借金で穴埋めしない
負債欄は原則、住宅ローンのみ。
車のローンなど“消費の借金”は、家計の柔軟性を大きく下げます。
車が必需品の地域があるのは前提として、その上で
- できれば積立で買う
- 足りないならグレード調整
- ローン前提の設計にしない
ことを強くおすすめします。
→ 現状すでに借金で生活を回している状況の場合はこちらから
▶ 借金と向き合うワーク
▶ 公的機関に相談すべき人
まとめ|ライフプランは「未完」でいい。だから自分で作る
ライフプランは、未来を当てるためのものではありません。
暮らしを壊さないために、調整し続けるための道具です。
- 最初は保守的でいい
- 条件が変わったら更新すればいい
- そして、壊れる前に選べる状態を作る
このページが、あなたの家計の「調整場所」になればうれしいです。
次に読む
将来の夢と必要額が具体的になったら、
そこに向かって「増やす」フェーズです。
▶︎ 資産形成 |まとめ
ライフプランの作成例はこちら
▶ 作成中


コメント